IT化には数億円の費用が必要

莫大な費用がかかる

莫大な費用がかかる

IT化の進捗状況は病院の規模によって異なります。なぜなら規模が大きい病院の方が経営が安定しているため、莫大な費用も負担できるからです。

病院の規模によって普及率が異なる

厚生労働省の調査によると電子カルテの普及率は年々増加しています。しかし、病院の規模によって普及率が大きく異なることが分かりました。病床数が400床以上ある規模が大きい病院では電子カルテの普及率は85%まで達していますが、規模が小さくなると普及率も下がっていたのです。そのため、病院全体を平均すると電子カルテの普及率は46.7%、診療所でも41.6%、と50%を切っています。普及率の詳細については以下のサイトを参考にしてください。

なぜ進まないのか?

多くのメリットがあるとして医療のIT化が歓迎されていますが、なぜ中小規模の病院ではスムーズに進んでいないのでしょうか。原因はいろいろありますが、主な要因は費用の高さでしょう。
電子カルテを例に挙げて考えてみましょう。病院の電子カルテと一口にいっても、看護支援システムや薬剤部門システムなど部署ごとにあり、20~30種類ほどのシステムで成り立っています。つまり、電子カルテを構築するには部署に関係なく共通で利用できるようにシステムを統合させ、さらに部署ごとに要件の異なるシステムも必要になるのです。非常に難解なため、開発や設備費用として数億円必要だといわれています。電子カルテは業務効率化には役立ちますが、病院の収入アップに直接つながるわけではありません。その結果、費用を工面するのが難しく導入に踏み切れない病院も少なくないのです。特に規模が小さい診療所が数億円の費用を負担するのは難しいことでしょう。そう考えると経営が安定している、規模が大きい病院の方が普及が進んでいるのも頷けます。

IT化のための予算は?

では、IT化するのにどれくらいの予算が必要なのでしょうか。病床数やシステム化の範囲によってばらつきはありますが、IT化するにあたって必要なのが、「電子カルテシステム」の他に、「医事会計システム」「ネットワークの構築費用」「部署別のシステム」「保守契約」「施設工事費」「設備費」「導入人件費」「カスタマイズ費」などです。あらかじめそれぞれの予算を策定することによって無駄な出費を抑えることができますし、稼働した後に経営が傾くこともありません。
とはいえ、1つずつ詳細を予測するのはかなり時間がかかり大変です。まずはこのような費用がかかることを事前に知り、どれくらいの予算が必要なのかを考慮しておきましょう。

もっと詳しく知りたい人へ

  • 進んでいるのは規模が大きい病院
    進んでいるのは規模が大きい病院

    IT化が進んでいるのは経営が安定している規模の大きい病院です。最新の医療機器があり、最先端のシステムも導入しているため多くの患者さんが集まっています。業務量が多いため残業もありますが、働きやすいように環境が整えられています。

  • 莫大な費用がかかる
    莫大な費用がかかる

    電子カルテの普及率は病院の規模によって異なります。電子カルテと一口にいっても部署ごとにシステムが異なり、さらにスムーズに連携できるように統合したシステムも必要です。高度な技術が必要なため、開発や設備費用として数億円かかるといわれています。

  • IT化によって業務効率がアップ
    IT化によって業務効率がアップ

    高齢者の増加により充実した医療・介護サービスの提供が難しくなっています。その状況を打開するとして大きな期待が寄せられているのがIT化です。さまざまなシステムが開発されていますが、中心となっているのが電子カルテです。